蕁麻疹(じんましん)とは
蕁麻疹(じんましん)とは、強いかゆみとともに、赤みを伴って、ミミズ腫れのような皮膚の浮腫みが出現する疾患です。出たり引いたり場所を変えて繰り返すことが多く、強い痒みやちくちくとした痛みを感じる場合や、逆にかゆみや痛みなどの自覚症状があまりないケースもあります。一般人口の15%は、一生のうち何らかの蕁麻疹を一度は経験するといわれています。
蕁麻疹(じんましん)の原因
何らかのウイルス感染や細菌感染や疲労が誘発するケースや、温度差、衣服の圧迫やこするような圧迫刺激、日光、内服薬、食べ物などが原因となることもあります。また、原因がはっきりと見つからない「特発性」といわれる場合もあります。
痒いブツブツが24時間以内(多くは10分〜30分程度)に消え、また別の部位に形を変えて出るのが特徴です。皮膚のある全身に出没しうるので、実は1日の中で形を変えて出たり引いたりしているのですが、いろいろなところにずっと出没するため、1日以上続くと感じられる方も多くいらっしゃいます。
すぐに消えてしまうことが多く、診察の時には消えている事も多いかと思いますが、症状がなくても受診してだくことで経過から診断がつき治療ができることも多いですので、症状がないからと受診をためらわずぜひご相談ください。
皮膚だけでなく喉や腸の粘膜に蕁麻疹が出ると粘膜が腫れてむくむため、息苦しさや腹痛が生じるケースもあります。全身の赤いぶつぶつと呼吸苦や腹痛が同時にある場合は、重症の蕁麻疹の場合ありますので、すぐに医療機関を受診してください。稀に、原因がアレルギーの場合などでは、アナフィラキシーショックの状態になることもありますので全身に強い症状がある場合はなるべく早めにお近くの医療機関を受診しましょう。
蕁麻疹(じんましん)の種類
- 急性蕁麻疹:繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して「1ヶ月以内」のもの。細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多いです。
- 慢性蕁麻疹:繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して「1ヶ月以上経過」したもので、原因が特定できないことがほとんどです。自分の血液中にヒスタミンを放出する細胞を活性化させる自己抗体が存在する例や、何らかの感染症が原因でがあると言われています。多くは夕方から夜にかけて出現しやすく、ストレスで悪化傾向があります。
- 物理性蕁麻疹:温熱、寒冷、圧迫、日光、機械的刺激等により起こります。
- コリン性蕁麻疹:運動、入浴等の発汗刺激や精神的緊張(冷や汗)、疲労やストレスにより出現。小児~20歳代にピークがあります。
- 感染症を背景とした蕁麻疹:ウイルス(肝炎、感冒)、細菌(副鼻腔炎、ヘリコバクターピロリ菌)、真菌、寄生虫などの感染症を背景に起こります。
- 薬剤性蕁麻疹:抗生物質、血液製剤、造影剤、防腐剤の影響により起こります。
- 偽アレルギー:非ステロイド内服、アスピリン、ワイン、トマト、などが原因となりうる、非アレルギー性の蕁麻疹です。
- 血管性浮腫:口唇やまぶたが突然腫れ上がり、2〜3日で消えます、通常は痒みがありません。
蕁麻疹(じんましん)の治療
抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬の内服が第一選択になります。薬物療法により症状が消失したあとも、しばらくは内服を続けることが推奨されています。急性蕁麻疹では数日から数週間程度、発症後2か月以内の慢性蕁麻疹では1ヶ月。発症後2ヶ月以上経過した慢性蕁麻疹では、2ヶ月が暫定的な目安として推奨されています。
温度差や摩擦圧迫などの機械的刺激、特定の食物のアレルギーなどの原因がはっきりとしている場合では、原因となる環境の改善や除去も並行して行います。原因の検索には、必要に応じて補助的に、採血でのアレルギー検査やプリックテストなどを行うこともあります。
突発的に生じた急性蕁麻疹の場合は、早期に内服治療を行うと1〜2週の内服で治まるケースが多いのですが、中には月・年単位で繰り返すような慢性蕁麻疹になってしまうケースもあります。内服薬で症状が治まってもしばらくは内服を継続して完全に治まってから内服薬をお休みしていくのが良いでしょう。
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