水虫は白癬菌というカビ(真菌)が皮膚に付着し、侵入すると起こる感染症で、正式には「白癬(はくせん)」といいます。皮膚に傷があると侵入しやすくなり、人にうつることもあるため、家族や周りの人のためにも完全に治療する事が大切です。
水虫の原因
特に足白癬発症の要因としては、高温多湿などの環境因子、足の間が狭い、蒸れや多汗のため湿潤している、不適切なスキンケアがあげられます。
また白癬菌は足、爪に多く感染しますが、頭、体、股部、手にうつることもあります。
水虫の種類
- 趾間型:主に第4趾間にじゅくじゅく、皮むけ、赤みやびらんを伴うことが多いです。
- 小水疱型:梅雨―夏期にかけて増えます。土踏まずや足の側縁に少し赤いプツプツができ、1週間程度で乾燥し皮がむけます。
- 角化型:足底、特に踵(くるぶし)の角質が厚くなり、表面がザラザラになります。冬にはあかぎれ、ひび割れを作ります。あまり痒みがなく、冬に改善もしないのが特徴です。
- 爪水虫:足の第1趾に多く、全ての爪が同時に感染することは少ないです。爪が白く濁り始め、放置しておくと肥厚しボロボロとした爪になります。
- 手白癬:片手のみに生じることが多いです。硬く赤くなる傾向にあります。
水虫の症状
白癬は、足・陰部・足の付け根に発生しやすい傾向がありますが、手や体、頭皮や顔にできることもあります。手足の白癬が長く続くと爪の中にも菌が入り込み、爪白癬(爪水虫)となります。
足白癬は、小さな水泡ができる小水疱型、足の指の間がふやけたりただれる「趾間型」、皮膚が固くガサガサひび割れる「角質増殖型」に分けられます。いわゆる水虫の症状としてわかりやすいのが「小水疱型」や「趾間型」になります。放っておくと菌が爪に侵入し、増殖すると爪白癬となり、爪が白く濁ったり厚くぼそぼそとした爪になります。
水虫の診断
水虫とよく似たような症状でも、湿疹や汗疱、かぶれ等のことがあります。怪しいと思ったら自己判断せず、皮膚科を受診することをおすすめします。特に、手足の痒み・皮むけ・ブツブツができると、水虫と自己判断し、市販の薬を塗り始めたところ、悪化したと来院される方が多く見られます。
表面の皮を少し取り、顕微鏡で観察し白癬の有無を確認する検査で、痛みもなく、とても簡単です。
炎症が強くジュクジュクが強い時期などには白癬菌が隠れてしまうため、一度では診断ができず、いったん湿疹の治療で炎症を抑えてから再度顕微鏡検査を行う場合もあります。顕微鏡検査が難しいケースでは抗原検査も保険適応になりましたが、皮膚科専門医であれば顕微鏡で診断がつくことがほとんどです。
水虫の治療
皮膚症状のみの場合は、症状に合わせて抗真菌剤を中心とした外用剤の組み合わせによる治療になります。毎日、お風呂上がりに塗り薬を塗っていただき、症状がなくなってからも長めに(約3ヶ月)薬を塗っていただくと再発なく、完治が期待できます。
「角質増殖型」や「爪水虫」は塗り薬が浸透しにくいため、飲み薬を飲んでいただきます。飲み薬は肝臓の悪い方や他の常用薬との飲み合わせが悪いとできない事もあり、肝機能の確認のため血液検査が必要となります。
白癬をしっかりと治すためには、外用剤の塗り方や使い方のコツをおさえる必要があります。水虫は奥が深い皮膚の病気の一つなので、ぜひ早めに皮膚科専門医にご相談ください。
水虫の感染予防
多数の人が使用したスリッパ、サンダル、下駄等を履いた後や、浴場・スポーツジム等の足拭きマットを使用した後は気をつけましょう。家族が水虫になってしまった時は、白癬菌が付着した皮膚の皮むけが剥がれ落ちている可能性があります。掃除を心がけ、足を毎日洗いましょう。高温、多湿を好みますので、通気を心がけ乾燥させましょう。
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