「うおのめ(鶏眼/けいがん)」も「たこ(胼胝/べんち)」も、慢性的な機械的刺激の結果生じる、皮膚の角質の肥厚です。足の裏や圧迫の刺激跡繰り返す部位に過剰な防御反応の結果、硬い角質のかたまりができることで体重の負荷や圧迫などで痛みが生じます。足に合わない靴の使用や、足趾の変形、糖尿病などによる知覚障害、血流障害などで悪化することもあります。

歩いたり体重を支えたりと、機械的刺激の多いことに対して、皮膚が角質層を厚くして対応いるため、足底の皮膚は厚く硬くなっています。何らかの理由で、一定部位に繰り返し異常な圧迫刺激が加わると、角質が厚く芯のようになり、真皮に向かって楔状に食い込んで行く場合があります。こうしてできたのが「うおのめ(鶏眼)」です。

「うおのめ(鶏眼)」が足の裏にできるのに比べ、「たこ(胼胝)」は生活習慣や職業やその人の癖などにより、足の裏だけではなく、ペンだこや座りだこのように身体のあちこちにできます。たこ(胼胝)はうおのめ(鶏眼)と違い、痛みの無いことが普通で、むしろ厚くなった角質のために感覚が鈍くなっていることもあります。

うおのめ(鶏眼)は硬い角質の芯を持ち、大きさは3mm〜4mmくらいまでのものが多く、その部分が圧迫により小石がめり込むように食い込むため痛みを伴うことがほとんどです。

たこ(胼胝)は硬い芯がなく、5mm~1cmくらいの大きさで全体が硬くなります。芯がない分うおのめ(鶏眼)よりは痛みが少ないケースが多いですが、硬く大きくなり圧迫による強い痛みを生じるものもあります。

うおのめ(鶏眼)とたこ(胼胝)の区別は皮膚科医が診ればすぐにわかりますが、両者が同じ場所に混在しているケースもあります。皮膚がやわらかく足の変形なども見られることが少ないお子さんに発症することは稀なため、小さなお子さんで「うおのめができた」といって来られる方のほとんどは一見症状がよく似ているウイルス性のイボ(尋常性疣贅)です。

基本的には硬く厚くなった角質の除去と、原因となる機械刺激の除去が治療の中心です。いくら角質を削っても、機械的な刺激が続く限り、必ず再発を繰り返します。角質を柔らかくする尿素軟膏やサリチル酸を塗る等のケアも必要ば場合があります。

足の「うおのめ(鶏眼)」や「たこ(胼胝)」は、足の変形などが原因となっていることが多く、原因である変形を根治できない場合は再発しますので、悪化を防ぎ痛みがないようにケアしていくということが大切です。

合わない靴、長時間の歩行、足の変形、歩き方の異常、年を取ったり病気などによって脂肪組織が減少したり、浅い所に固い骨や関節があるなど圧迫因子を見つけ、可能な限り除去することが最も大切です。適正な靴に替えただけで「うおのめ(鶏眼)」が治ることもあります。角質軟化剤や保湿剤などを用いたスキンケアや、パッドなどを用いてなるべく局所の刺激を少なくするような工夫も必要です。

強い痛みが出る前に定期的に処置を行うと徐々に痛みが出にくくなりますので、強い痛みが出る前に定期的に皮膚科通院によるケアを行うことをおすすめします。

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